
『医療と介護の多職種連携シンポジウム2019 がん緩和ケアと地域連携 ~病院、在宅医療、在宅介護それぞれの立場から~』
3月16日、今年は座長として私と松井看護師が参加させていただきました !
このシンポジウムは、各務原市に2つある強化型支援診療所グループの一つが主となり、年1回開催しています。当院もそのグループの一員として連携を図っています。 医師、看護師、薬剤師、介護福祉士、ケアマネージャー、施設相談員の方々が、それぞれの経験例を発表しディスカッションします。互いの経験・意見・立場を理解するという意味でとても勉強になります(ここまでは毎年同じ)。
今年のテーマは『人生の最終段階で大切なこと』です。
ACP(Advanced Care Planning)という言葉が徐々に認知されるようになりました。急な事故や病気の際に延命処置をどうするかを決めておくこと(AD; Advanced Directive)を指すのではありません。もっと前段階の話です。
「ACPってなに?」
これから残された時間をどう過ごすか、死とどう向き合うかについて、あらかじめ本人と家族が医療者や介護者と一緒に繰り返し考え、共有するプロセスを指します。
厚生労働省はACPの愛称を『人生会議』としましたが、言い得て妙です。
なぜ『人生会議』が必要なの?
それは、いずれ誰にも訪れる人生の最終段階をより充実して過ごせるようにする、もしくは過ごせるように周りが援助するためです。元気な間によく考えておき、そのための準備をしておくことが人生を有意義なものにする、という考えです。
いつそんな話をするの?
いつでも大丈夫です。難しいことではありません。
と言っても急に「あなたは死とどう向き合っていきたい?」と聞かれても困りますよね 。 親戚や有名人が病気になった時やテレビで事故のニュース見た時でも構いません。
「もし自分がそうなったら、、」「もしあなたがそうなったら、、」という会話がもうACPの始まりです。
誰に話をすればいいの?
家族や信頼する友人と話をし始めるのが良いではないでしょうか。 信頼関係のない人に、そんな大切は話はできませんよね。 もちろん、普段から信頼できる医療者と関わりのある状況であれば、かかりつけ医や看護師、ケアマネージャー・ヘルパーなどの介護スタッフに、自らの思い・意向を伝えてもらえると良いと思います。
その時の体調や気分、もしかするとお天気でも、気持ちは変わるものです。 繰り返し考え、話をしていくことが大事です。
つまり『人生会議』とは、自ら持つ価値観や自分らしさ、生きている証しを、自分自身もしくは大切な人達と一緒にじっくりとゆっくりと探求し再確認することなのでしょうね。
山本