N-NOSEっていうがん検査、どうなの?


今のところコロナは落ち着いてますね。他の国でまだ猛威を振るっていることを考えると、日本ではきちんとマスク、消毒を励行していることが、功を奏しているのでしょうか。このまま第六波が来なければ良いですが。。


今回は久しぶりにコロナとは違う話題で。

先日ある患者さんから質問がありました、N-NOSEというがん検査についてです。ニュースなどでご存知の方もいらっしゃるかもしれません。線虫が、がんの匂いを嗅ぎ取って尿に走行するということを利用し、がんの有無を判定するという検査です。


線虫とは土壌中にいる線形動物で、その多くは非寄生性です。C.elegans(エレガンスっていう名前が良いですね)という線虫が、この検査に利用されています。聞き馴染みのあるギョウ虫やアニサキスも線虫の一種ですが、これらは動物に寄生して生息しています。嗅覚の優れた犬もがんの匂いを嗅ぎ分けることが分かっていますが、線虫の嗅覚は犬のそれのなんと1.5倍。線虫が生存していくために進化させた特殊能力なんでしょうね。人間が生存していくために、それを利用させていただくという訳ですね。


ただし、どんな検査もそうですが、全ての検査結果に100%はありません。N-NOSEの資料では、感度(がんのある人で検査結果がきちんと陽性となる確率)は86.3%、特異度(がんのない人で検査結果がきちんと陰性となる確率)は90.8%とあります。

これは、がんを発見する確率が86.3%という意味ではありません。


2018年の日本人におけるがんの罹患率は、厚労省の統計で0.775%とあります。

簡単に約1%とすると、計算上N-NOSEの検査をすると約10人に1人は陽性になります。さらに、陽性になった人の中で本当にがんが見つかる人は、その中で10人に1人という計算になります(計算方法は割愛します)。


つまり、実際にはがんがなくても検査が陽性になる確率が高いので、あくまでも簡便にできるスクリーニング検査と考える方が良いと私は考えます。とはいえ、PET-CT検査に比べると非常に簡便で、体への負担もほぼない優れた検査であることにかわりはありません。


と、ここまで話をしていながら、当院で検査ができる訳ではありません。。(なんだそれ)

ご興味のある方は、N-NOSEで検索をしてみてください。

最新記事

すべて表示