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アストラゼネカ製コロナワクチンってどうなの?


今週から各務原市でもアストラゼネカ製のワクチン接種が始まります。

血栓症など副反応の話が先行したアストラゼネカ製ですが、実際のところどうなのでしょうか?


この夏デルタ株が猛威を振るう中、ミュー株などまた新しい株の名前が出てきたりして、もっと早く若い人たちにもワクチンを!と思う今日このごろです。

しかし、そのワクチン、特にファイザー製がどんどん少なくなっています。また、モデルナ製も異物混入報道があり、投与できるワクチンがさらに少なくなりました。そこで白羽の矢が立てられたのが、”余っていた”アストラゼネカ製です。


アストラゼネカ製は血栓症の副反応が問題となっています。このワクチンによる血栓症は、ヘパリンという薬を投与したときに起こる副作用と似た仕組みで起こるのではないか、ということがわかってきました。怪我をして出血したとき、自然と出血は止まりますよね?それは、血小板が血を固まらせるからです。しかし、これが血管の中でむやみやたらに起これば命に関わることは容易に想像できます。


実際にどのような人にどの程度の頻度で血栓症がおこるのでしょうか。現在のところ、多くが60歳以下の女性で、15万−25万人に1人の頻度とされています。ワクチン接種後1-2週間におこることが多いようです。


では,このアストラゼネカ製ワクチンによる血栓症の副反応の頻度は多いのでしょうか?

以前のブログでも新型コロナ感染と血栓症についてお伝えしていますが,新型コロナウイルス感染症の合併症として血栓症のリスクが高いことは,周知となっています。厚生労働省の研究班,日本血栓止血学会,日本動脈硬化学会の報告でも,コロナ感染による血栓症は全体の1.86%(ECMO使用している例では13.5%)と非常に高率に合併しています。つまり,コロナに感染による血栓症のリスクは,アストラゼネカ製ワクチンによるそれより約28〜46倍も高いことになります。もし,「アストラゼネカ製ワクチンなら接種しない」と考えている方も,コロナに感染して命を落とすくらいならアストラゼネカ製ワクチンを接種する方が良いかも,とは考えられないでしょうか?


ワクチン接種を迷っている方の背中を少しでも押せたとしたら,とても嬉しいです。


参考文献

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